先日、知り合いのトレーナーさんから、トライアスロンを新たに始めたいクライアントさんからパーソナルトレーニングを依頼されたのだけど、トライアスロンに必要な身体機能や鍛えるべき箇所を教えて欲しいと相談がありました。
トライアスロンを新たに始める方、特にこれまで運動経験がそれほど豊富ではない方へ向けて、特にお体の準備の面からどのようなアドバイスやアプローチが出来るか、改めて考えてみました。
【今回の記事の見出し一覧】
- いろいろな距離のトライアスロン
- これまでの運動経験は?
- 特に水泳経験のない方へ
- それぞれの種目の動きに親しんでください
- トライアスロンスクールに入るのも一つの手
- 個別の身体機能の強化や改善は競技動作に親しみながら
- まずは楽しんでください
1)いろいろな距離のトライアスロン
トライアスロン、世間一般的にはとても過酷なイメージがあると思います。
とても過酷なイメージの代表格は、ロングやアイアンマンと呼ばれる、ロングディスタンスのレースでしょうか。(距離の例:スイム4km弱、バイク130~180km前後、ラン30~42km)
ですが、新たにトライアスロンを始める方がいきなりロングに挑戦することはまれだと思いますので(※他スポーツの元エリート選手の競技転向などは別として)、取っ掛かりとしてはもっと短い距離のレースから始めることになるかと思います。
代表的なのはオリンピックディスタンスやスタンダードディスタンスと呼ばれる、水泳1.5km、バイク40km、ラン10kmのカテゴリーでしょうか。初めての方でだいたい3時間半くらいあれば、なんとかゴールできるくらいの距離です。
またオリンピックディスタンスの半分の距離で行われる、スプリントディスタンス(水泳750m、バイク20km、ラン5km)のレースも各地で多く行われているので、初めての挑戦の方にはスプリントレースもおすすめです。
エイジNCS|スプリント | JTU Web Magazine -公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)
2)これまでの運動経験は?
トライアスロンを始めるにあたって、何か特別な運動経験は必要でしょうか?
いいえ、エリート競技選手の種目転向などの例は完全に別として、生涯スポーツとしてトライアスロンにチャレンジされる、多くの非エリート選手に関しては、特別な運動経験は必要ありません。
最初の種目、スイムでつまづいて完走できない方も一定数いらっしゃるので、経験として泳げるに越したことはありませんが、それでも水泳未経験からトライアスロンを始めて、いくつものレースで完走されている方も多くいらっしゃいます。

(※写真はいずれも2024年代別日本選手権)
バイクは、ロードバイクのような前傾姿勢の自転車への慣れは必要ですが、とりあえずは自転車(ママチャリ)に乗れれば大丈夫、何とかなります。

最後の種目、ランは、日常でも最もアプローチしやすい手軽な運動なので、絶対何とかなります!

トライアスロンは一見敷居が高く感じますが、ご自身のスポーツ経験の有無や偏りを気にし過ぎることなく、ぜひ皆さんにチャレンジして欲しいです。
3)特に水泳経験のない方へ
そうは言っても、3種目のうちで多くの方が苦手意識を抱かれる種目が、スイムかと思います。特にトライアスロンは海や川、湖などのオープンウォーターを泳ぐことが多いので、さらに心理的なハードルが上がってしまうかと思います。
私も水泳が苦手なので、レースの前はいつも最初のスイムが不安で緊張します。

沖に見える折り返し地点目印のブイが、とても果てしなく遠くに感じられて、不安で不安で仕方ないです。

ですので、特に水泳経験がない方は、事前になるべく多くプールに通うなど、水に慣れておくことが大切になってくると思います。週に一回でも二回でも、一度の練習時間や距離は短くても、なるべく頻度を高く水に慣れられると、少しでも不安が和らぐかと思います。
不安が和らぐことで、過度な心拍の上昇も抑えられ、落ち着いてよりレースを楽しめるようになると思います。
レース前緊張して不安でどうしようもなくても、レースが始まって一生懸命泳いで、なんとか陸に上がってきたら、とても達成感あって楽しいですよ。

4)それぞれの種目の動きに親しんでください
もしもトライアスロンに初めて挑戦するという場合、大きな不安と緊張と共に、新たな挑戦への楽しみもまたとても大きいと思います。
トライアスロンは水泳、自転車、ランニングの複合種目なので、全身をまんべんなく使えて身体的にはバランスの良い、生涯スポーツとしては最適な種目だと、私は考えております。
3種目それぞれの体の使い方は大きく異なるので、事前になるべく3種目をちょっとずつでも良いので練習して、それぞれの種目での体の反応に慣れておくことがとても大切になります。
その上で、それぞれの種目を30分~小一時間、ゆっくりでもいいので動き続ける、身体面や心理面で競技動作を一定時間続けることへの「慣れ」を築き上げられれば、これはもう初めてとしてはベストに近い準備が出来た、と言えると思います。
そこまでではなくても、練習をしていけば、ずーっと動き続けることに、体が少しずつ慣れてくるので、ぜひその体の変化を楽しみながら練習をしてみてください。
5)トライアスロンスクールに入るのも一つの手
初めての方でどうやって練習したらいいか分からなかったり、トライアスロンをやっている方々と繋がりを持ちたい、と考えたら、近隣のトライアスロンスクールを覗いてみるのも良いかも知れません。元エリート選手など競技経験豊富なプロのコーチが在籍していることが多いので、トライアスロンへのチャレンジがより身近に感じられるとおもいます。
(一例として、私がお世話になっているスクールです)
6)個別の身体機能の強化や改善は競技動作に親しみながら
それぞれの種目を練習する中で、例えば種目特有の体の反応(スイムで肩が痛くなる、バイクで腰や肩首が痛くなる、ランでひざなどが痛くなる。。。など)が出てくると思います。
お時間に余裕があれば、そういった練習をおこなってみて感じた身体機能の変化を、私たちのようなパーソナルケアをおこなえるトレーナーに相談していただけると、皆様お一人ずつ異なるお体の特性に合わせて、適切なケアやトレーニングをご提案できるかと思います。
7)まずは楽しんでください
ともあれ、まずは心と体の反応を観察しつつ、ご自分のペースで新たな挑戦を楽しんでいただければと思います。
トライアスロン、楽しいですよ。少しでもご興味あれば、ぜひ周囲の経験者や(いらっしゃらなければ私どもなどへ)お問い合わせください。ぜひ新たな挑戦を楽しんでください。
釈迦のパーソナルスポーツケアでは、杉並区の荻窪、上荻にて、主にスポーツにまつわる様々な痛みや不調のお悩みの解決、大切なレースや試合などへのコンディション調整のサポートを行っております。お気軽にお問い合わせください。