打撲はスポーツに関わっていると、かなりよく目にするけがのひとつです。

サッカーやラグビーなど身体接触を伴う球技スポーツでは、特に太ももやふくらはぎへの打撲が多く発生します。

「打撲」と言うと、スポーツの日常では頻繁に目にする分、けがした本人も周りの指導者や保護者なども、大したことないけがだと捉えがちになると思います。

が、打撲と一口に言っても、軽症から重症まで程度は様々。特に重症の打撲になると、受傷後すぐの応急対応をしっかりしないと、後々までけがの悪影響に悩まされることも珍しくありません。

左ふくらはぎの打撲(受傷後1週間)を例にあげます。

このケースでは球技で相手選手の膝が自身のふくらはぎ内側に強く当たってから、以降は練習を休んでいました。

腫れで皮膚はパンパン、痛みで歩けない状態でした。1週間経っているのに全然治らない、ということで私のところへ来ました。

これは現場のトレーナーの処置だけではダメだな、と感じたので、医療機関(整形外科)に送り、検査と診察をしていただきました。血腫が生じている、ということで適切な処置を行って頂きました。

血腫について説明していきますね。

ある程度強い打撲をするとたいていは患部が腫れます。腫れる、ということは皮膚の下では内出血が起こっています。

皮膚から出血すると、しばらくすると血は固まり始めますよね(凝固)。同じことが内出血でも起こります。

この血が固まってしまった状態を、血腫と言います。

ふくらはぎや太ももに腫れが生じるほどの打撲をしたあと、痛みや腫れがなかなか引かない、スポーツに復帰出来ない、という状況の時には、皮膚の下では血腫が出来てしまっているケースもあります。

この状態になってしまうと、血腫が自然と吸収されてなくなるのには、月単位の長い時間がかかることもあります。なかにはまれに手術の適応となる場合もあるほどです。

「打撲」だからと軽く見ていてしまうと、思わぬ重症に発展してしまうこともあります。そうならないために、けがした直後の応急処置がとても大切になります。

特に大切なのは「圧迫」と「ストレッチ」です。圧迫をしっかりして、必要以上に患部が腫れることを防ぎ、同時に患部を可能な範囲でストレッチをかけた状態(※)にしておくことで、血腫の発生を防げる可能性が高まります。

(※患部が太ももの前の場合…可能な範囲でひざを曲げておく↓)

(※患部がふくらはぎの場合…足首を背屈(つま先を引き上げた状態)しておく↓)

圧迫とストレッチをしっかり実施した上で、患部の安静を保って、可能であればアイシングなどのその他の応急処置を併用してください。

初期の対応がスポーツ復帰へかかる時間、日数を大幅に左右します。ぜひ可能な範囲で行ってみてください。

注意…肉離れや捻挫などの場合は、けがの直後は、ストレッチはやってはいけません。判断が難しいかと思いますので、適切な医療機関(病院、整形外科医)を受診してください。

釈迦のパーソナルスポーツケアでは、杉並区の荻窪、上荻にて、主にスポーツにまつわる様々な痛みや不調のお悩みの解決、大切なレースや試合などへのコンディション調整のサポートを行っております。

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